根管治療は痛みを取るものではありません

歯科医師のやっていること

我々、歯科医師が行なっていることは、痛みを取ることではありません。

行なっていることは、

１、感染の除去

２、咬合力のコントロール

このふたつです。

そして、一つ目の感染の除去には、ふたつの方法があり、「歯を残しながら汚れを取り除く方法」と「歯ごと汚れを取り除く方法」があります。後者は「抜歯」です。前者の代表的な一つが「根管治療」です。根管治療は「痛み」を取るものではなく「感染」を取り除くものです。

しかしながら、感染が原因で起きている痛みもあるため、これは原因となっている「感染」を取り除くことにより、その「痛み」が治るのです。

痛みを中心に考えるべきではない

このような背景から、歯科医師は「痛み」をコントロールすることができません。そのため、「痛み」を中心に、歯科治療を考えるべきではないのです。

歯に起きている細菌感染が原因ではない「痛み」もありますし、逆に非常に感染が進んでいるのにも関わらず、「痛み」のない場合も多々あります。

しかしながら、患者さんが「痛み」を中心に歯科治療を考え、歯科医師側も患者さんの期待に答えようとするがあまりに、コントロールのできない「痛み」を取ろうと頑張ってしまいます。

実は、これが、誤診につながり、患者さんとの信頼関係が壊れてしまう要因になっています。

自分も、素人だったら、確実に「痛い」から歯医者に行きます。しかしながら、経験を積めば積むほど、痛みのコントロールが難しいことがよくわかります。

根管治療は「痛み」を取るために行なっているものではありません。「感染」を取り除くために行うものです。